生きる・・・

生きる   
                                     谷川俊太郎
生きているということ

いま生きているということ

それはのどがかわくということ

木漏れ日がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみをすること


あなたと手をつなぐこと



生きているということ

いま生きているということ

それはミニスカート

それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス

それはピカソ

それはアルプス

すべての美しいものに出会うということ

そして
かくされた悪を注意深くこばむこと



生きているということ

いま生きているということ

泣けるということ

笑えるということ

怒れるということ

自由ということ



生きているということ

いま生きているということ


いま遠くで犬が吠えるということ

いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ

いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ


いまいまがすぎてゆくこと



生きているということ

いま生きてるということ

鳥ははばたくということ

海はとどろくということ

かたつむりははうということ



人は愛するということ


あなたの手のぬくみ

いのちということ


初めて私がこの詩に出会ったのは、かなり昔、元は谷川俊太郎氏の詩に曲をつける小室等氏のコラボレーションだった。
1976年にTBS系列で放送された、『高原へいらっしゃい』と言うドラマの主題歌になった『お早うの朝』と言う曲などもその類だ。
もちろん上記の詩にそのまま曲をつけるのは難しかったのだろう、歌の方はに変えられていたのだが、当時のインパクトは相当のものであったと記憶している。

長い間記憶の底に眠っていた存在が、突然思い起こされた。

心の暗闇に明かりを灯す事ができるのは、詰まるところ人なんだ。
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by kazz1125 | 2011-04-18 18:12 | 言の葉


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