ばぁちゃんの手紙

ばぁちゃんは漢字がほとんど書けない
丁度学校に上がる頃
戦争があって学校どころではなかったからだ

ばぁちゃんにはたくさんの弟や妹がいる
だから
母親代わりに面倒を見なくちゃならなかったんだ

ばぁちゃんは物を大切にする
俺たちから見ると
本当につまらないような物でも
とっても大切にする
だから家の中は物に溢れ返って
ごちゃごちゃしているけど
誰もそれを責める事は出来ない

ばぁちゃんは二人の孫たちが小さかった時に大好きだった
オロナミンCと雪印の6Pチーズを
今でも欠かさずに買ってくる
孫たちがあんまり遊びに来なくなった今は
少しだけ痛む足で時折自分からこちらへ来て
本当は顔を見たいにも関らず
そっと玄関先にそれだけ置いて帰る

そんな届け物のついでに
きっとばぁちゃんは二人の孫に
お小遣いを一緒に置いて行く

ティッシュでおひねりのように包んだ
千円札の包みが二つ
そこには決して上手ではないけど
一所懸命孫たちに書いたひらがなだらけの
ばぁちゃんの手紙が添えられている

その字を追いかけていると
涙が出て止まらなくなる
訳もなく悲しい気持ちに
とめどなく涙が出る
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by kazz1125 | 2007-11-07 23:27 |


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