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おばあちゃん家のうどん

埼玉・日高 ごん兵衛   肉うどん(デフォルト)

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ラーメン、うどん、そば。
日本を代表する麺ですが、特にうどんには大きく誤解されていることが一つあります。





それは決してファーストフードではないと言うこと。
うどんは駅にある「立ち食いうどん」だの「山田うどん」(関東限定か?)などのお蔭で、ファーストフードのイメージが強いのですが、実のところ他の麺よりも茹で時間が掛かります。
もちろん茹で置きしているお店ならばその限りではないのですが、茹で置きだとやはり風味の低下は避けられない。
またお蕎麦屋さんで呪文のように言われる「挽きたて・打ちたて・茹でたて」ですが、ラーメン、うどんの麺は熟成の問題もありますので、打ちたてが全て良い訳ではありません。
しかしながら茹でたてだけは美味しさの基本であるのは間違いないように思います。
冷凍うどんがバカにならない美味しさなのも、茹でたてを瞬間冷凍した事にあります。

と長々とした前置きはともかく、この「ごん兵衛」さん。
このお店、何度か前を通っていてその所在は知っておりました。
田舎のうどんやさんにありがちな、民家を改造した風情がどうにも入りにくくてスルーしていたのですが、ある方に美味いという話を聞いて、昨日のお昼に行ってきました。

暖簾をくぐると先客は3人。
お一人は常連のお客さんのようで、湯飲みを運んでくれたり、注文を聞いたりとマメに世話焼きをしてくれます。
と言うのも、このお店おばあちゃんが一人でやっているので、厨房に入ると店内に眼が行き届きにくくなってしまいます。だからそんなのが当たり前になっているのでしょう・・・。

カウンターが4席。4人掛けテーブルが二つ、2人掛けテーブルが一つ。
テーブルの上の少し凹んだポット。
乱雑に詰まれた古い雑誌。
色が褪せた、元の色が判らない張り紙。
テーブルの上の調味料置きには、あまり使われないのでしょう・・・少し埃っぽい味の素の小瓶まであります。
小さなお店は昭和の食堂の匂いがぎっしりです。

待つこと30分・・・。ファーストフードではないどころかスローフードですね(笑)。
時の流れすらこのお店ではゆっくりなのでしょう。
持参した時代小説を読みながら待っていて、ふと気付くといつの間にか小さなお店は満席になっていました。

やっと来たおうどんは少し細め。茹で上がりは柔らかめの優しい食感です。
味が濃い目のつけだれは少ししょっぱいか・・・と思っていたら、厨房からおばあちゃんがワタシを見てニコニコしながら「少ししょっぱかったかねぇ?」だって。判ってんじゃねーか(大笑)。
もうそのやり取りに何だか気持ちがほっこりしちゃって、美味いの不味いのなんか二の次。

そのお店の空気感にどっぷり浸ってきました。

冷静に考えると、味はワタシのストライクゾーンからは少し外れています。
うどん自体がワタシの好みではないのと、事実かなりしょっぱかったしね。
だけど、おばあちゃん家で作ってくれた「お昼のうどん」って考えたら、文句も言えないかなって・・・。
第一、上の写真、肉うどん¥550って・・・この価格じゃ普通食べられませんものね。

また近いうち、「おばあちゃん家のお昼のうどん」を食べに行きたいと思います。
by kazz1125 | 2009-03-10 08:37 |


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